2021年05月24日更新

意外と出来てないモバイルオーダー導入時の利用率目標の設定の考え方

最近、モバイルオーダー導入のご相談を飲食店の経営者の方からたくさんいただきます。テーブルの上に置いてある据え置き型のタブレットであるセルフオーダー端末がだいぶ浸透してきている中、コロナ禍では誰が触ったかわからないタブレットを触りたくないというような、スタッフとお客様の「非接触化」に追加してお客様同士の「非接触化」を求める声が大きくなってきています。また据え置き型のタブレットとその置台の購入をする必要がないため、いままでのセルフオーダーに比べ安価に導入ができるという点も人気のようです。 そんなモバイルオーダーですが、お客様のスマートフォンを利用する為、導入後にスマートフォンの利用率がなかなか上がらないという声も多く、利用率についてどう考えるべきなのかを解説していきたいと思います。

モバイルオーダーの利用率はそもそも100%にはならない

スマートフォン普及率から考える利用率の上限

モバイルオーダーの利用率に関しては100%になることはありません。その理由としては、そもそもスマートフォンの普及率を見てみるとわかるのですが、内閣府の消費動向調査の結果では、2020年現在で普及率は、全年代の平均で単身世帯で64%、2人以上世帯でも84%です。両方を合わせると78%程度ですので、そもそもすべてのお客様のスマートフォンを使ってもらっても74%の利用率にしかならないのです。

年代別で異なるスマートフォン普及率

スマートフォンの普及率は全年代では74%となりましたが、もちろん年代別に差があることは上図でわかると思います。29歳以下、30代に関してはほぼ100%に近く、40代、50代でも世帯構成に差はあれど、90%程度になっています。50代以降ですと年代が上がるほどスマートフォンの普及率が低くなり70代以上では50%程度と考えられます。

男女別と年代別で見るスマートフォン普及率

男女別と年代別とで分けた分類を見ていくと、全体としてはそこまで大きく男性と女性で差はみられなかったが、29歳以下の2人以上世帯の女性の普及率が29歳以下の2人以上世帯の男性に比べ低くなっている傾向がありました。

年収別で見るスマートフォン普及率

また、世帯年収別に見ると、年収が400万円未満よりも低いとスマート普及率が低く300万円未満だと54%以下にとなっている。400万円以上になると、単身と2人以上世帯で多少差はあれど90%程度の普及率になっている。

以上のスマートフォン普及率から考ええるモバイルオーダーの利用率目標の設定については、まずは自社の運営する業態がどんな年齢層をどれくらい集客しているかによって利用率の目標を設定することが望ましいです。

では事項でどれくらいに設定するのが望ましいのかを実際の導入事例も踏まえて解説していきたいと思います。

自社の業態店舗のスマホ利用率上限を確認する

業態別の来店客の年齢分布を確認

上図はあくまで例として筆者が想定で入れた数字ですが、例えば➀の居酒屋業態では40代~60代がメインのターゲットです。また➁ロードサイド沿いの回転寿司では30代~50代がメインターゲットで、駅前の定食屋が20代~40代をターゲットに、来店客の年代別構成がそれぞれ上図の様になていると想定して、そこに年代別のスマートフォン普及率をかけると、そのお店での来店客のスマートフォン普及率が簡便的にわかります。

実際にこの内容を元に上図のように年代別のスマートフォン普及率を各年代の来店客比率かけると右側のモバイルオーダーの想定利用率上限になります。その各年代ごとを足し合わせると最終的に店舗毎のモバイルオーダーの想定利用上限がでてきます。

➀の居酒屋業態ですとメインターゲットが全体的に40~60代なので88%程度、➁の回転寿司ですと全年代の顧客が多いのですが高齢者も多いため84%程度に、➂の定食屋に関しては20代~40代が中心と言うこともあり、94%と他の業態に比べ高い数字になっています。

今回の数字はあくまで例として取り上げた数字ですので各業態や店舗の来店客を元に、モバイルオーダー導入後の利用率上限を頭に入れておくと良いかもしれません。実際に導入後の利用率は今回のスマートフォン普及率以外に、据え置き型のタブレットを併用で置く場合や、従業員のハンディを無くすか否かでも利用率は大きく変わってきます。

そして、あくまで今回上記に書いた利用率は上限の利用率ですので、大体これよりも10%~15%程度の人はスマートっフォンを持っていても使用しない人がいるというのが実感値です。

ですので導入後3~6か月の利用率としては来店客の55%~65%くらいを想定して、貸出用のタブレットやハンディなどの対応が発生するコトを想定しておくと良いでしょう。

最終的にどれくらいの利用を見込むのかはもちろん業態のターゲットや、それ以外にも追加注文の多い業態なのか否か、また来店客の属性、地域など複合的な要因で変わってくるので細かく経過をウォッチしていくことが重要ですので、あくまで今回の記事が参考になればと思います。

 

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メニウくん編集部

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