株式会社ことぶき精肉店様(愛媛)
「四国No.1企業」を目指す㈱ことぶき精肉店は、1967年愛媛県西条市の食肉店で創業。
現・代表取締役の伊藤忠昭氏が入社した1995年より外食卸業を開始し、2010年からは飲食業に参入するなどで事業を拡大してきた。現在は愛媛県内に焼肉店、焼鳥店など計9店の飲食店を展開する同社が、セルフオーダーシステムを導入したきっかけとは。伊藤氏にその経緯と効果、そして「メニウくん」導入によるメリットを聞いた。
焼肉店『やきにくの蔵』、焼鳥店『炭火焼鳥とりっこ』、カツ丼・とんかつのファストフード店『かつ福』を愛媛県内に計9店布陣する㈱ことぶき精肉店。なかでも愛媛県内で4店を構える『炭火焼鳥とりっこ』は、ファミリー層に人気の郊外型焼鳥店だ。店内で串打ちする焼鳥や炭火で豪快に焼き上げるごろごろ焼きを主力に、ピザや唐揚げ、釜飯などバラエティに富んだ商品ラインアップで、家族連れから女性グループ、カップルまでを取り込んでいる。
自社開発で保守サポートも安心
「元々ハンディ端末を使ったオーダーテイクを行なってきましたが、お客さまをお待たせすることが多く、セルフオーダーシステムの導入を決断しました」と代表取締役の伊藤忠昭氏。
まずは焼肉と焼鳥各2店で、他社製品を導入。しかし故障が多く、メーカーの修理対応も遅かったことで、お客さまに迷惑をかける事態を招くことも。また、定期的にソフトやハードのバージョンアップをしなければならず、追加費用も発生。初期投資こそ抑えられたが、維持費が高くなる結果となった。
そこで耐久性の高い「メニウくん」に切り替えを開始。イニシャルコストとランニングコストを合わせたトータルコストを比べたとき、「メニウくん」の方が低コストになることがわかった。
「汎用品タブレットでなく、自社開発の飲食店専用タブレットのため、壊れたときの対応も迅速で安心できます。また自社でパーツ交換してくれるので、修理コストも他社製品より下げられました」(伊藤氏)。
看板商品の注文率増に貢献
商品の付加価値の訴求ができる点も「メニウくん」の大きな特徴だ。「従来のセルフオーダーシステムは“メニューを選ぶためのツール”だったのに対し、自由にレイアウトを作成できる『メニウくん』は“楽しく選べるツール”として役立っていると思います」と伊藤氏は評価する。
フリーレイアウトのメニュー画面は、売りたい商品を大きく見せる、シズル感のあるイメージ写真を掲載するなど、付加価値を高めて商品をアピールすることが可能。これにより商品の魅力を明確に伝えられるようになり、特に看板商品のオーダー率アップにつながった。
「看板商品はリピーターを獲得できる商品です。この商品のオーダー率が上がれば、再来店率アップにもつながります」と伊藤氏は言う。
シズル感のあるイメージ写真に、こだわりを伝える文章を掲載することで価値を伝える。またメニュー写真の大小をつけることで、売りたい商品を明確に打ち出す。
人材定着率1・5倍まで上昇
人材面への影響も大きく、同社では採用応募者数の増加、定着率の伸張などの効果を発揮している。
「出店立地には大学のない地域もあり、そうした場所では高校生や主婦のパート・アルバイトが主力人材となります。しかしハンディ端末は操作が煩雑なため、慣れる前に辞める人も多く定着率がなかなか上がりませんでした。一方でセルフオーダーシステムは、ホールスタッフの業務負担を軽減してくれるため、高校生アルバイトの定着率は導入前と比べると1・5倍まで上昇しました」(伊藤氏)。また、求人募集を行なう際もホール業務が簡単であることを訴求することで、採用応募者数は従来の3倍に。働きやすい環境であることから、ホールスタッフの8割は既存スタッフからの紹介により確保できているという。
人件費削減にも貢献しており、1店あたりでは平均2・5%まで人件費を軽減。愛媛・今治の『炭火焼鳥とりっこ 今治店』では、88坪160席の大箱にもかかわらず、平日5〜6人のホール人員での営業を可能にしている。
「メニウくん」の導入により、ランニングコストの軽減、リピーターの獲得、人材定着率の向上など、多くの効果を得た同社。現在は愛媛県内のみの出店だが、将来的には大阪、東京進出を視野に入れている。
愛媛・今治にある『炭火焼鳥とりっこ 今治店』。88坪160席の規模ながら、ホール人員は平日5〜6人、日曜8人体制。セルフオーダーシステムは採用のフックにもなり、オープン時の応募者数は60人にのぼった。