株式会社アトム様(愛知)
焼肉業態で効果を発揮!
食べ放題焼肉『カルビ大将』をはじめ、『ステーキ宮』や『にぎりの徳兵衛』などのマルチブランドを全国展開する㈱アトム。主要ブランドの一つである『カルビ大将』では、2014年にセルフオーダーシステム「メニウくん」を全店で導入し、大きな成果を上げている。その具体的な効果について、焼肉営業本部 第一事業部長の酒井浩二氏に話を伺った。
当社では居酒屋や回転寿司、ステーキ、焼肉など32のブランドを保有しております。現在3ブランドある焼肉業態のなかで、特に展開ブランドとして見据えているのが『カルビ大将』です。同ブランドはロードサイドを主要立地に、全国39店まで伸びており、今後は北関東への出店を精力的に進めていく考えです。
急増する焼肉業態の中で差別化ポイントとなっているのは、個室主体の空間づくりでしょう。こうしたプライベート空間の提案により、小さなお子様連れのファミリー層や宴会ニーズを取り込むことに成功しています。
ブランドを立ち上げた19年前はアラカルトメニューのみの焼肉店でしたが、2013年より全店で食べ放題を導入。現在は大人1名2480円、2980円、3980円の3つの食べ放題に、アルコールの飲み放題も用意し、多様な利用シーンに対応しています。
食べ放題に切り替えてから、1組あたりの客数は0・2〜0・3人増と、集客数アップにつながりました。
深刻化する地方の人手不足解消の鍵に!
食べ放題を打ち出した頃から、1組あたりの注文回数増への対応や、オーダーミスの軽減、スピード提供の実現へ備え、2014年にはセルフオーダーシステム「メニウくん」を全店で導入しました。
導入後、最も効果が表れたのは人件費、採用コスト、教育コストと3つの経費の削減です。
今、昔のように安い給料で雇用できる時代ではありません。人件費も高騰していますし、なるべく少ない人数でお店を回す必要に迫られています。「メニウくん」は、スタッフの代わりにオーダーテイク作業を丸ごと請け負ってくれるため、スタッフ1人分の働きをしてくれる。そのため、ホールスタッフ人員の削減につながりました。
また、いくら時給をあげても、そもそもその地域に働き手がいないなど、人手不足の問題が深刻化しています。しかし「メニウくん」の導入により少ない人員で回すことができるので、募集コストもだいぶ軽減できましたね。
これまでアルバイトの多くは若い学生でしたが、シニア層が増えてきているのも昨今の傾向です。そのとき「メニウくん」なら、操作に関する教育指導がほとんどないため、採用してすぐにホールで活躍していただけます。
こうしたメリットにより経営面での効果が期待できる他、現場で働くスタッフの負担軽減にも直結していると思います。
一方で「メニウくん」は、お客さま満足度の向上にも貢献してくれています。例えば、お客さまのタイミングで何度でも気兼ねなくオーダーできるため、スタッフを呼んでも来ないなどのストレスなく楽しんでいただけます。先ほど申した通り、当店は個室が売りなので、スタッフが何度もドアを開け閉めすることがなく、お客さまのプライベート空間を邪魔することもないですしね。
最近ではメニューページに、肉を焼く様子を撮影した動画を掲載しています。こうしたシズル感のある演出は、紙のメニュー表ではできません。動きのあるメニュー表にすることでお客さまの目を惹き付けるとともに、「おいしそう」と感じてもらうことで、あともう一品のオーダー獲得へとつなげています。
2016年10月に、茨城・牛久にオープンした牛久店では、入口に発券機を設置しています。入口にスタッフが立たなくても、ウェイティングのお客さまを管理できるため、ホールスタッフの作業負担を軽減できます。発券機の方が順番を間違うなどの人為的ミスもなく、お客さまをスムーズにご案内できる利点もありますね。
今後、外食産業での人手不足はますます深刻化していきます。特に『カルビ大将』のような地方のロードサイドでは、より人材確保は厳しくなると予想しています。そのとき、セルフオーダーシステムのようなITが、さまざまな問題を解決へと導いてくれると思いますね。