有限会社一休そば総本店様(北海道)
北海道でそば店を展開する有限会社一休そば総本店。
そば業態では初導入となる「メニウくん」について、上層部3人に語っていただいた。
>代表取締役 早川陽介 氏(以下、陽)※写真右手
『一休そば』は、1975年に我々の父が北海道・苫小牧で創業した、家族や女性が来られるファミレス型のそば店です。私が入社した04年には「家業から企業
へ」をスローガンに店舗拡大や時代に沿った業態転換など、さまざま展開を行なってきました。そして16年には「そばを通じて皆さまを健康にしたい」という想いから、『満天食堂一休そば』へとリブランディングしました。
>常務取締役 早川 賢 氏(以下、賢)※写真中央
主に健康効果が期待できる商品展開をしようと、メニューを一新。そば粉は豊富なルチ
ンや亜鉛、ビタミン群などを含む新品種「満天きらり」という韃靼そばに変えました。また揚げ油には抗酸化力の高いこめ油を、定食のお米には食物繊維が豊富な麦めしを使い、健康食を打ち出したのです。
>取締役本部長 早川耕平 氏(以下、耕)※写真左手
当店のそば湯も高い栄養素を持ち、見ためが金色のため「金のそば湯」と呼んでいます。このそば湯を各テーブルに置き、つゆを割るだけでなく、そのままでも飲んでもらうことをすすめるなどの新しい試みも行なっています。
>陽:
一方、少子高齢化による生産人口の減少で、現場の人不足が深刻化しています。北海道・札幌市内は割と人も集まるのですが、地方に行けば行くほど人が集まらない、定着しないという問題が生じています。人不足となれば、一人あたりの負担も大きくなるためモチベーションもあがらない。こうした課題解決の一つとして挙がったのが、セルフオーダーシステムの導入でした。
>賢:
導入コストも決して安いものではないので、我々のようなそば業態にも合うのか、費用対効果は得られるかなど、さまざまな議論を繰り返しました。しかし、まずはチャレンジしてみようと、『満天食堂一休そばイオンモール苫小牧店』で「メニウくん」の導入を始めたのです。
店の雰囲気向上にも結実
>耕:
私は苫小牧店の現場に立っているのですが、「メニウくん」の導入によって、さまざまな効果が生まれたと感じています。なかでも、これまでの運営限界人数を減らして4人でも売上げが立ったことが大きかったですね。導入によってスタッフの作業に変化もなく、スムーズな営業を続けられたこともよかったです。
また、スタッフを呼ぶコールが減ったことで、店内が静かで落ち着いた雰囲気になりましたし、オーダーミスなどのヒューマンエラーもなく、お客さまの満足度は確実に上がったと実感しています。
>賢:
人件費で言うと25〜26%だったのを、22・5%まで落とすことができました。ランニングコストとして月額5万円を要しますが、人の採用や教育を行なうとなるともっとかかりますから、トータルで見ると絶大な効果ですよね。
>耕:
結果、苫小牧店はリブランディングとセルフオーダーシステムによる回転率アップの両輪効果で、売上げ昨年対比105%から最大200%まで伸ばすことができましたね。
>賢:
この効果を受け、16年7月に『満天食堂一休そば 札幌発寒店』へ、8月に『満天食堂一休そば 千歳店』に導入しました。具体的な効果はこれからですが、売上げ増やスタッフの作業負担の軽減などにつながると考えています。
>陽:
現在当社では直営5店の他、パートナーシップ店も6店あります。エリアの異なる直営3店での結果を基に、人材不足で困っているパートナーシップ店への導入も進めていきたいですね。
我々は、そば店の展開だけで終わらせるつもりはありません。一人でも多くの人がそばを食べ、健康になって欲しいとの想いが根底にあるので、もしかすると今後はパンやサプリメントなどの開発もできるかもしれない。そば業界の形をいい意味で壊し、もっとそばという文化に貢献できる活動を北海道から広めていきたいと考えているのです。