株式会社どんぐり様(京都)
1977年3月、京都・伏見で創業した『お好み焼 どんぐり』。2017年で40周年を迎えた現在では、京都市内を中心に9店を展開するまでに成長している。京都No.1のお好み焼き店を目指す同店が、セルフオーダーシステム「メニウくん」の運用を開始したのが2016年11月。
その狙いと効果について、㈱どんぐり外食事業部次長の小屋雄一郎氏にうかがった。
JR京都駅前など京都の中心部で展開する、会社員や観光客向けのダイニング店『DONGURI』7店と、ファミリー向けの郊外店『どんぐり』2店の計9店を構える㈱どんぐり。京都の地に特化し、京都産の小麦粉や米、野菜、醤油などを使ったお好み焼き・鉄板焼きを提供する他、内装もその地に合わせたカラーを打ち出している。
メニューはお好み焼きに、京都発祥のベタ焼き、九条ねぎのねぎ焼、そしてお酒のアテとなる鉄板焼きや一品料理で構成。とくにお好み焼きは20分かけてじっくりと焼き上げることで外はカリっと、なかはふわっとした独自の食感に仕上げる。同店でしか味わえないお好み焼きを求めて来店するお客さまも多く、土日や金曜夜になるとウェイティングができるほどの人気店となっている。
ホール2人削減に結実
同社が「メニウくん」を導入したのは、2016年11月から。まずは140席を抱える大箱の京都駅前店での運用を始めた。
「2年前より、統括店長から慢性的な人材不足の打開策として、セルフオーダーシステムの導入を提案されました。しかし当時提案された他社製品は、性能や価格などの面で見合わず導入を断念しました」と外食事業部次長の小屋雄一郎氏。
その後、統括店長がインターネットで「メニウくん」を見つけ、再度導入を提案。代表と小屋氏で「メニウくん」導入店に視察に行き、実機を体験した。そのときメニュー表の見やすさや、スムーズな動作性などが気に入り導入を決断したという。
「初めはセルフオーダーシステムでどれだけ効果が出るのか、半信半疑でした。しかし期待以上の効果があったことで、当初入れる予定のなかった小箱店を含む9店全店での運用に踏み切りました」(小屋氏)
一番の効果はスタッフの負担軽減。例えばお好み焼きオーダーの際には、トッピングをサジェストするマニュアルがあるが、毎回きちんと聞けているかを判断することができなかった。しかし「メニウくん」はお好み焼きをオーダーすると、注文確定前に必ずトッピング選択画面が表示される。これによりトッピングのオーダー数がぐっと上がり、結果客単価100円増につながった。
「メニューはドリンクを含め200品近くあるため、スタッフはすべての名前を記憶しなければいけません。その負担が大きく、新人スタッフが活躍できるまでの期間が長いので、人離れにつながっていました」(小屋氏)。
メニュー名の記憶やオーダーミスがなくなることで、スタッフがストレスなくのびのびと働け、短期離職が減ったことも大きい。
また「スタッフを呼んでも来ない」というお客からの声もあったが、スタッフを呼ぶストレスなく気軽にオーダーできるようになったことでお客さまの満足度も上がっている。
「メニウくん」導入後は以前より全店ベースでホール人員を2人削減でき、人材不足の問題に対し確実に効果を発揮。
一方小箱店は人員をこれ以上削ることはできないが、導入によるオーダーミス防止や追加オーダーの促進など、営業の安定化を図ることを目的としている。
「今後の目標としては、京都No.1のお好み焼き店になること」と小屋氏。京都に根づいた飲食店の展開と同時に、物販事業でどんぐり商品を市外にも発信し一人でも多くの人に味わってもらうことを目指す。