株式会社安部自動車様(宮城)
車屋として創業した㈱安部自動車は、2005年より外食事業に参入。現在は宮城・仙台市内を中心に直営17店、フランチャイズ6店を展開するまでに成長した。同社がセルフオーダーシステムに着目したのが2010年頃。これまで2社の製品を使っていたが、2017年4月より「メニウくん」の導入を開始。
他社製品と「メニウくん」との違いや、セルフオーダーシステムによる効果をぼんてん漁港FC事業本部本部長の長谷川正美氏に聞いた。
宮城・仙台中心に飲食店を展開する外食企業㈱安部自動車。現在は立ち飲み酒場『ぼんてん酒場』、ビストロ業態『びすとろぼんてん』、居酒屋『ぼんてん漁港』などの5ブランドで直営17店、フランチャイズ(FC)6店を展開、着実に事業規模を拡大している。
基幹ブランドの『ぼんてん漁港』は、近郊の市場や漁港から取り寄せる魚介をメインとした鮮魚酒場。旬の魚介5種を豪快に盛りつけた1000円の刺身を看板に、居酒屋メニューを豊富に揃える。「会社員の生活サイクルに入る店」を目指す一方で、週末は家族客を獲得するなど、幅広い客層を取り込んだ“地元の居酒屋”として人気を集めている。
客単価が200円UPしたが……
同社がセルフオーダーシステムを導入したのは2010年。「当時は大手チェーン居酒屋や回転寿司で導入されており、お客さまの使い勝手を考えると、今後仙台でもニーズは高まるだろうと予測しました」と話すのは、ぼんてん漁港FC事業本部本部長の長谷川正美氏だ。
当初は初期投資額が低い他社製品を導入。すぐに客単価が200円前後アップしたという。「県民性かもしれませんが、これまでスタッフを呼ぶのを躊躇し追加オーダーできなかったお客さまがいたのだと、このとき再確認しました」(長谷川氏)。
しかし安価なセルフオーダーシステムは故障トラブルが多く、1店舗あたりの年間修理コストは21万円にも及んだ。また当時計8店で導入していたため、トータルで年間170万円もの経費がかかっていたことになる。汎用品タブレットの故障率は年間約30%と言われており、それを必要経費と考える飲食店も少なくない。しかし導入店舗数が多いほどコストを圧迫し、利益増の妨げとなってしまうのだ。
飲食専門の頑丈な端末を導入
「そこでPOS会社の紹介で、飲食店専門に端末を作っている『メニウくん』を紹介いただきました。『メニウくん』導入の際に、平均年間故障率を伺ったところ2.5%と聞きました。そうすると年間で1台壊れないくらいの故障率なので、かなり修理のコストを抑えられると思いました」(長谷川氏)。
導入は『ぼんてん漁港』の宮町店を2017年4月から、苦竹駅前店を同年10月からスタート。まだ1年経過していないものの、以前と比べると故障によるトラブルは皆無だという。
オーダーテイク時間をお客さまとの コミュニケーションの時間に転化
またフリーレイアウトのメニュー画面は、売りたい商品を明確に伝えることができ、出数も確実に伸張。
「画質もきれいなので、以前よりも商品の魅力を知ってもらえるようになった」と長谷川氏は評価する。
居酒屋業態は、お客さまとのコミュニケーションが常連客を掴む要。セルフオーダーシステムにより客席を行き来する回数は減ったが、オーダーテイクに費やしていた時間をコミュニケーションの時間に充てられ、リピート率上昇にもつながった。
苦竹駅前店は席稼働率を高めることを目的に、可動式の2〜4人卓を中心に配置。各卓で電源がとれないため、卓上に常時「メニウくん」は置かず、使わないときはバックヤードで充電しておくスタイルを採る。
また卓番号は卓上に設置する置き台が記憶しているため、入店時に端末に卓番号をセッティングする必要がない。これにより、着席したらすぐに「メニウくん」を持って行けるため、お客さまの席移動などにも端末を入れ替えるだけで即使用可能。スタッフの手間もいらず、卓番号ミスによるトラブルを防ぐこともできる。
同社の今後の目標は、全国300店。仙台から全国への展開を目指す。
他社製品は固定レイアウトのため、決まった枠に写真やテキストを当て込むだけだったが、「メニウくん」ではフリーレイアウトデザインを採用。写真の大小はもちろん、テキストの大きさ、色なども自由にデザインすることができ、売りたい商品を明確に伝えることができる。