京都天ぷら 天のめし

カウンター17席、提供はコース料理のみ。「京都天ぷら 天のめし」祇園本店は、天ぷらを“体験型エンターテインメント”として提供する天ぷら店だ。
この独自のスタイルを支えているのが、インパクトミライ社のセルフオーダーシステム「メニウくん」である。導入の目的は、「コース料理をいかにシンプルに、直感的に管理できるか」という一点だった。
この目的を叶えるために、セルフオーダーシステム「メニウくん」の機能を活用してコース料理の状況・進行をスタッフと厨房でシームレスに管理できる、コース料理管理システムを導入した。
本システムの導入により、オーダー管理の負担から解放されたスタッフは、料理の提供タイミングやお客さまへのサービスに向き合えるようになり、顧客満足度アップにつながっている。
今回は、新規事業本部ゼネラルマネージャーの井口喜人氏に、導入の背景とその効果について話を伺った。

演出・おもてなし・本物の味。 インバウンド客を引きつける、体験型天ぷら専門店
「京都天ぷら 天のめし」は、「高揚する瞬間を、ザ・天ぷらテインメント」をキャッチコピーに、日本の食文化である天ぷらを“体験型エンターテインメント”として世界に発信する天ぷら専門店だ。
入店時にはスタッフ全員による「ウェルカム」の掛け声が響き、「よいしょ!」の声に合わせ丼にいくらがかけられる演出など、食事そのものを楽しんでもらう工夫が随所にちりばめられている。
スタッフ一人ひとりは、単なる接客係ではなく、もてなしのプロである「もてな師」。日本のみならず、世界に通用するおもてなしを大切に、最高の笑顔と心配りで、お客さまの期待を150%上回るおもてなしを目指している。
もちろん、料理へのこだわりも徹底している。新潟県産米をガス火で炊き上げる羽釜炊きのご飯、和牛すき焼きを天ぷらにする独創的なメニュー、オリジナル製法で仕上げたさつまいもの天ぷらなど、ここでしか味わえない一品がそろう。
こうした演出と味の両立は、来店客の7〜8割を占めるインバウンド観光客からも高い評価を受け、SNSには多くの動画投稿が並んでいる。

「押したら次へ進む」だけ。 導入の決め手は、コース料理の管理のしやすさ
「メニウくん」を導入した最大の理由は、オーダーミスの削減や業務効率化が目的ではなく、「コース料理の管理のしやすさ」だ。
同店はカウンター17席のみ、提供はコース料理のみという特殊なオペレーション。複数の席で同時に進行するコースの状況を、正確に把握する必要があった。
「他社のシステムでは、1回のオーダーでコース全品が画面に表示されてしまい、どこまで提供したのか分からなくなることがありました」と話す井口氏。
その点、「メニウくん」は一品提供するごとに画面をタップすると、次の品目へ表示が切り替わる仕様。コースが終了すれば、その席の表示は自動的に画面から消える。
「押したら次へ進む」というシンプルな操作と表示こそが、同店のオペレーションに最適だった。

覚えなくていいから、目の前に集中できる。 現場に“余裕”を生むシンプルな運用フロー
実際の運用は、非常にシンプルだ。
1.ホールスタッフがオーダーを入力
2.厨房のタブレットに席番と最初の品目が表示
3.揚げ場が調理
4.調理後、該当品目をタップ
5.プリンターから料理名と席番入りの伝票が出力
6.料理と伝票をホールへ渡し、提供
調理中も次のメニューが小さく予告表示されるため、揚げ場のスタッフは全品目を暗記する必要がない。お客さまの食事スピードを見ながら、次の調理を判断ができる点も大きなメリットだ。
調理担当者は、複雑な管理業務から解放され、「揚げる」「お客さまの表情を見る」「演出に参加する」といった本来注力すべき仕事に集中できるようになった。
この余裕がサービスとエンターテインメントの質を高め、Googleマップのクチコミの高評価につながり、さらに新たな来店を呼び込む好循環が生まれている。

トレーニングは2分。教育コストも大幅削減
「押したら次のメニューが出てくる」という極めてシンプルな仕様のため、新人スタッフへの操作説明は、わずか2分で完了。トレーニング時間の短縮により、教育にかかる人件費も大幅に削減できた。
また、誤ってボタンを押してしまった場合でも、必ず伝票が出力されるため、厨房内で提供状況の確認・管理ができる。以前はプリンターをホールに設置していたが、ホールスタッフが誤って伝票を捨ててしまうと「どこまで料理を出したか」が分からなくなるため、現在は厨房内に配置し、管理体制をより強化した。

業態特化という選択が、次の成長につながる 現場起点で考える、システム導入のヒント
現在の「メニウくん」の仕様は、「カウンター席で、一人ひとりにコース料理を提供する」業態に完全に特化している。
「うちの店舗にドンピシャのシステムです」と、井口氏は高く評価し、天ぷら業態の2店舗目での導入も決定している。
一方で、天のめしグループは天ぷら業態に加え、とんかつ、すき焼きなど、テーブル席を中心とした業態も展開している。現状では、テーブル席においてコースとお客さまをひもづけることができず、また、提供順がお客さまの要望によって変わる業態では、運用面での課題も残っているという。
「テーブル席でも個人単位で管理できる仕組みができれば、他業態への導入も積極的に検討したいですね」と、井口氏が今後の期待を語る。

今後の期待として挙げられたのが、提供速度のデータ分析機能だ。オーダーから提供までの時間を可視化できれば、回転率向上やオペレーション改善に活かせるという。
「メニウくんは、私たちのミッションを支えてくれる存在です。このシステムがあるからこそ、スタッフはお客さまに最高の笑顔を届けられます。これからも一緒に、日本の食文化を盛り上げていきたいですね」(井口氏)
天のめしグループは京都や大阪、東京、福岡といった主要インバウンド都市への展開、さらに世界進出も視野に入れている。その挑戦のそばには、いつも「メニウくん」がある。